短稈コシヒカリ型の水稲品種『ヒカリ新世紀』について

新品種「ヒカリ新世紀」

コシヒカリに替わる食味多収米として新品種「ヒカリ新世紀」(水稲品種第12273号)を鳥取大学農学部 富田因則 教授が開発しました。
良食味のコシヒカリは消費需要が高く、日本で最も多く4割近くを占めて生産されていますが、稈が長くて倒伏しやすく、昨今の度重なる大型台風の来襲によって多大な倒伏害をこうむりました。したがって、コシヒカリを遺伝的に倒伏しにくく改良することが、わが国品種改良における悲願の重要課題でした。
「ヒカリ新世紀」は、コシヒカリに背丈を約20cm短くする唯1個の遺伝子を全国で初めて導入し、短稈遺伝子以外は99.8%以上コシヒカリのゲノムを持つ初の短稈コシヒカリ型品種です。「ヒカリ新世紀」は、コシヒカリより約20cm短くて倒伏耐性が著しく強化されたうえ、穂数が増加して15%の増収となり、コシヒカリの良食味(等級「上の中」)をそのまま受け継いでいます。
「ヒカリ新世紀」は、コシヒカリに対して倒伏が無く、食味が変らないほか、繁茂しないために病害虫防除がしやすい、コンバインによる収穫が容易、中山間地に適しているなどの利点などの報告もされ、かなりの好成績(単收660kg/10aなど)を挙げています。そこで、コシヒカリに替わる風雨に強く作りやすい短稈改良種として多数の生産者から期待を寄せられています。
さらに、高知県農業技術センターをはじめ宮崎県から熊本県にかけて「ヒカリ新世紀」の奨励品種決定試験が行われており、新潟県農業総合研究所、千葉県農業総合研究センターなどの品種比較試験では、「ヒカリ新世紀」の食味、品質は「コシヒカリ」と同質と評価されました。日本育種学会において初の短稈コシヒカリ型品種の開発として記者発表され、全国の新聞社でも報道されました。以下に品種育成の概要と品種特性をお知らせします。

【ヒカリ新世紀の育成】
関東79号と十石(短稈遺伝子sd1を持つ)を交雑し、その雑種第4世代で出穂期などの遺伝的性質の大部分がコシヒカリに近い短稈系統(短稈遺伝子ホモ接合体)を系統選抜しました。さらに、この短稈系統を一回親にして、コシヒカリを反復親とする連続8回の戻し交雑育種を行い、短稈遺伝子以外の遺伝子を全てコシヒカリに入れ替えました。各戻し交雑の第一世代(BCnF1)でやや短稈(短稈遺伝子ヘテロ接合体)の固体を選抜し、BCF1にはコシヒカリを母親にして交雑し、BC2F1にはコシヒカリを父親にして交雑しました。BC3以降はコシヒカリを母親にして戻し交雑し、BC8F2世代以降に短稈遺伝子ホモ接合体を固定して育成を完了し、農林水産省において2004年に品種登録されました。品種「ヒカリ新世紀」は短稈遺伝子sd1以外99.8%コシヒカリの遺伝子を受け継いでいます。

【ヒカリ新世紀の品種特性】
「ヒカリ新世紀」の出穂期、成熟期は「コシヒカリ」と同じ”早生の早”で、稈長は「コシヒカリ」より20cm(20%)短くて耐倒伏性は「コシヒカリ」より著しく優ります。止葉は”直立”し、「コシヒカリ」より15%増大しました。「ヒカリ新世紀」は「コシヒカリ」より葉の幅が広くて直立していて、いつまでも緑が濃く生き生きとしています。食味は「コシヒカリ」と同じ”上の中”であり、玄米の概観品質は「コシヒカリ」並の”中”で、腹白、胴割も”極小”です。穂発芽性、脱粒性は「コシヒカリ」と同等に”難”です。白葉枯病抵抗性、カラバエ抵抗性は「コシヒカリ」並であり、葉いもち抵抗性は「コシヒカリ」よりやや強く、繁茂しないため、病害防除がしやすく、コンバインによる収穫が容易です。したがって、「ヒカリ新世紀」は寒冷地、温暖地、暖地に及ぶ「コシヒカリ」の作地全域において早期、普通期栽培により、「コシヒカリ」に匹敵する良食味米の多収穫が可能です。

第9回全国米・米コンクール総合部門で特別優秀賞を受賞した仁井田米の品種はヒカリ新世紀です。 このヒカリ新世紀は、 鳥取大学農学部 富田因則 教授が育成したおコメです。。出品した仁井田米は宮内商店提携農家で高岡郡四万十町仁井田の片岡源造さん(58)のヒカリ新世紀です。
平成19年度の総合部門特別優秀賞は、2,103点のすべての応募の中で、上位39位以内に与えられる賞です。四国・九州地方では初めての受賞です。


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